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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

06えちごくびき野100kmマラソン完走記

ホテル出発は4時15分。会場にもすぐに到着。早速体育館の中で待機する。外の気温はあまり高くないが、陽射しがでれば暖かくなりそうだったのでアームウォーマーにした。

たくさんのお客さんを撮影!
千代田走友会の皆さんお客さんお客さん

今回のスタイルはこちら!足元のCW-Xはカラーオーダーモデル!兎虎BBQTシャツの中には今回レースでは初登場の肩バランスアンダー半袖。そしてアームウォーマーだ。
ZERO大島さんと


X-FITロングスリーブは後半78キロに用意。47キロ地点には加圧ベルト潜り込ませた。さらにスペシャルドリンクとしてプロテインとグリコーゲンリキッドの組み合わせを3回分用意した。

スタートは5時30分。少し薄暗い中1200人のランナーが一斉にスタートした!例年よりも200人近くランナーを迎え入れたようだ。

スタート後すぐに『へろへろ』の方よりも先を急ぐ形となった。富士五湖・サロマ湖とどちらも同じ展開。最終的にはひっくり返されてしまうのだが。

このコースでは30キロ以降の登りで時間をロスすることは否めない。少しでも貯金をという思いもあり、6分30秒イーブンを徹底した。

お客さんからもたくさん声を掛けて頂き、へたな走りはできない。まずは元気に30キロを迎えよう。
1キロくらい日の出

徐々に辺りも明るくなってきて朝日が雲の切れ間から見え始めた。

5キロの通過は33分40秒。スタートの流れからしても予想通りのタイムだ。アートスポーツの自転車チーム『マリアローザ』の女性陣2人は快調なペースで追い抜いていった。

前回大会が台風の中だった為か、雰囲気が違って感じられた。それは朝早くから沿道に出て応援してくれている地元の方が多いことだ。前回は雨の影響もあり人は少なかったのだろう。やっぱりこの応援があってこそのくびき野だ。

10キロ 1時間05分51秒 32分10秒
田園地帯を走る

まだまだフラットなコースが続いているので、イーブン刻んでいるが周りのランナーは明らかに速い。涼しいうちに距離を稼ぐ気持ちがあるのかと感じた。

15キロの標識には気が付かなかった。そして初めてのトイレタイムは草むらに避けて失礼した。すると前を行ったはずの『マリアローザ』の2人が元気に追い越していく。恐らくトイレタイムだったのだろう。元気な2人をパチリ。この辺りでカメラの充電が切れかけてきたことに気付き、要所だけの撮影を決めた。
マリアローザ15キロ過ぎ

16キロトイレ休憩は以前と同じだ。建物内に入りトイレ大に並ぶ。入り口で八百さんに遭遇!挨拶を交わした。週頭に長谷恒を走っているのに快調なようだ。

ここでのトイレタイムは約8分。エイドでは早めにと思いプロテインとグリコーゲンリキッドをシェイクして摂った。

いつもよりも長いロスになったので、ある程度までポジションを上げるために、清里の住宅地辺りでは頑張って走った。その際にお客さんのTさん(06年の甲州街道完走)とその仲間の方と並走となった。

皆さんと元気に会話を交わし走る。清里は住宅地という感じで新しく大きい家が目立つ。小高い丘を繰り返しているが、まだまだ峠越えではない。

20キロ 2時間19分13秒 1時間13分22秒(15キロ押し忘れ)

さらにアートスポーツランニングチームZEROの大島さんにも会うことができた。大島さんも長谷恒とダブルで走っている。口ではカラダが重いといっているが、跳ねるような走り方と一定のリズムはさすがだった。ここからず~と大島さんとの並走が続く。

25キロ 2時間51分49秒 32分35秒

清里のエイドでは新米のコシヒカリおにぎりが旨い!まもなく始まる峠越えに向けて準備をしておかないとガス欠になってしまう。少しでも口に運んでおくことで変わってくる。

清里からは岩ノ原ぶどう園を回る。丘添いを進んでその先に急な登りがあり、またすぐに下る。左には稲穂を刈られたたんぼが大きく広がっている。

さあここから旧牧村(現牧区)だ。その前にトイレ、トイレ!
牧区

役場までの登りは長く続く。始めはダラダラなのだが、徐々に急勾配になっていく。沿道の応援に後押しされて一生懸命走って登った!

30キロ 3時間27分57秒 36分07秒

やっとの思いで到着したエイドにはおぼろ汁がある。お客さんランナーも多く、厳しい表情の人、余裕がある人それぞれだ。充電切れかけのカメラもここで登場!大島さんに撮ってもらいました!
おぼろ汁エイド

さあここからが『えちごくびき野』のお楽しみです。5つある峠越え!さあまずは1つ目。
牧区の登り


峠の入り口ではたくさんの小学生の応援団がいる。『ゴーゴーランナー!いけいけランナー!ファイトだランナー!』掛け声に乗せられて坂をスムーズに登りはじめる。

過去2回の参加で非常にキツク感じたのがこの1つ目だった。しかし今回は大島さんと並走していたこともあり、それほどではなかった。(大島さんとは1キロも一緒ではなかったのだが…)数日前にハセツネを走ったとは思えないほど良いペースで進んでいく。
1つ目登り

峠の上にも集落があり、おばあちゃん達が応援してくれている。この坂を登るのは大変だろうなぁと考えてしまった。坂は2段階に分かれているような感じで、1つ目を急激に登った後に、少しなだらかな坂が長く続く。峠の手前にはエイドもあり『もうすぐ下りですよ!頑張ってください!』の声に脚を前へと進ませる。

35キロ 4時間09分27秒 41分29秒

エイドの休憩もあったので前半の貯金を使う形となった。登りだし仕方がない。目安としてフルマラソンを5時間で通過できるように設定した。

そしてやっとの下り坂。のどかな山並みを望みながら掛け下りるランナーの背中を追い掛ける。次のエイドは川上笑学館。このエイドにもおにぎりが用意してある。下りの途中ではあるが、しっかりと補給していく。大島さんにもエイドでやっと追い付いた。
1つ目下り

この下りを走り切るとすぐに2つ目の峠が始まる。再び大島さんと徐々に離れていってしまう。登りの途中で40キロを向かえる。

40キロ 4時間47分13秒 37分46秒

やはりエイドで長居しなければ、キロ8分は掛からずに進むことができている。フルマラソンの設定タイム5時間は例年のサロマ湖と同じタイムだ。今年はペースが速く4時間36分で通過したが、5時間で通過していれば平均するとキロ7分ペースで走れているということになる。それ以上掛かってしまうとサロマ湖よりも関門が緩やかだとしても、アップダウンの影響で関門に掛かってしまうと思ったからだ。

下りに入って再び大島さんに追い付きここから47キロのレストステションまで下りなので、並走できた。フルマラソンの通過は5時間03分と設定通りで安心。

5時間経過といことで午前10時半になったところだ。徐々に陽射しが暑く感じ、空気も朝の冷たさがなくなっていた。やっとアームウォーマーを外してちょうど良い気温になってきた。ということはこれからの時間帯もっと暑くなりそうだ。

45キロ 5時間21分44秒 34分30秒

47キロのレストステションには着替えが置けるポイントだ。ここには今回の秘密兵器『加圧ベルト』を用意しておいた。血液の循環を良くするために大会での仕様はアップ以外では初めてだ。そして2つ目のグリコーゲンリキッドとプロテイン!このエイドで摂ってしまおうということでしっかり長い休憩となった。
47キロエイド

到着すると八百さんが出発する様子。こちらもハセツネを感じさせない走りで笑顔でスタートしていった。それからうどんを食べながら加圧でストレッチを行ない、プロテインを摂った。しばらくすると『へろへろ』の小川さんとりきさんが到着!ゆきさんは遅れているようだ。ちょっと休み過ぎたかな?と思いつつ、トイレも済ませ先に出発した。
47キロへろへろさん

脚の状態はどうだろうか?やはり夏の練習不足のせいか?脚がどうも上がらなくなってきた。加圧で軽くなった感じもあったが、時間もあまり取れなかったので効果はさほど感じられない。まだ中間地点も通過していないんだと不安が頭をよぎる。

50キロ 6時間14分11秒 52分27秒

3つ目の峠に向かってエイドからはダラダラとした登りが続く。右手の奥には下って来た山が見える。その中にレストステションを目指すランナーの姿も見ることができた。
3つ目の手前

左に曲がると大きな登りが始まる。3つ目の印象はダラダラということしか残っていなかった。前後するお客さんも多くなって来て『きついですね~。これが終わればあと2つですから!頑張りましょう!』と励まし合った。

後ろからは『へろへろ』の小川さんが軽快に抜いて行った。そしてすぐにりきさんの姿も見えて来た。

それにしても脚が進まない。そこでできるだけ走って20歩のウオーキングで繋ぐ作戦にでた。後で2004年の完走記を読み返してみると、やはり同じことをしていた(笑)登りでしっかり走り下りは惰性で下っていく。

下りに入ると直前にお店でウルトラ初挑戦でお話しした女性ランナーのKさんと並走となった。なんでも先月のフルマラソンデビューだと言う。練習で仲間の方に奥武蔵のコースに連れて行ってもらったりしていたそうで、練習はしっかりできているようだ。足取りも軽い。りきさんも追い付いて来て3人での並走となった。

沿道ではボランティアの方がランナーを誘導している。『下り坂があと1.5キロ続きます。頑張らなくて良いです。マイペースでゆっくり走ってください。膝にきますからね。下りが終わると100メートルでエイドがあります。』

55キロ 6時間54分12秒 40分00秒

『トイレに行くので先に行っていてください!』とりきさん・Kさんに進んでもらう。2人は全くペースが崩れない。りきさんは体調があまり良くなかったりサロマ湖以降練習量が減っているようで、無理は利かないが走れるペースでマイペースという感じだ。

1キロもしないで追い付くことができたが、自分とのリズムが明らかに違う。Kさんもしっかり練習できてとても初ウルトラを感じさせない安定した走りだ。エイドまで1.5キロのやや登りというポイントで『歩いても良いですか?』と切り出したのは自分だった。りきさんも『あ~助かった。誰か言ってくれないかと思ったんだよね~。』と助け舟を出してくれた。

呼吸はあまり苦しくないのだが、脚が続かない。しかし歩きっぱなしではまずいので『行きますか!』と切り出し走り出した。この辺りは旧大島村(現大島区)中学生のボランティアが『ファイト~!頑張ってください!』と等間隔でランナーを応援してくれる。

エイドまであと数百メートルというところから自分は再び歩きはじめてしまった。4つ目の峠は一番急なのでしっかりと休みたかった。しかし走っていてキロ8分。そろそろ制限時間を気にしなくてはならないか?


エイドではゆっくり椅子に腰を下ろして3人でみそ汁を食べた。すると大島さんがいて『みそ汁におにぎりを入れて食べるとしっかり食べられるよ!』と伝授して頂いた。さすがいろいろと知っていらっしゃる!

再びトイレ休憩をとり、先に進んだ2人を追いかける形となった。そして一緒に走っていては遅れてしまうので、ラン&ウォーク作戦で4つ目峠に立ち向かった。周りに走っている人はいない。しかし下りやエイドで抜かれるのは自分なので、稼げる時に稼ぐ作戦だ。4つ目の峠の頂上が60キロポイントとなる。

60キロ 7時間48分51秒 54分39秒

結局登りを歩き通した2人をエイドで待っていたら同じスタートとなった。あれ?走って得したかな?ここで関門時間を確認。69キロが9時間15分(14時45分)あと9キロ1時間30分は問題なさそうだが、問題は85.2キロで11時間25分(16時55分)だ。25キロを約2時間半となる。峠は残り1つだけ。とにかく先を急ぐしかない。

4つ目をクリアしたら次に印象的なのは『虫川大杉』だ。下って行った先にあるのは覚えているけど、どのくらい先だったか忘れてしまった。前回はHANAが下りということでかっ飛んで言った印象が大きい。そして下りが長く続き、終わる気配は全くない。気が付くと65キロまで下って来た。

65キロ 8時間26分48秒 37分57秒

下りの途中でまたまたお客さんを発見!!山岳ランナーのSさんは僕よりも長身でガッチリした体型だ。ウエアのスタイルがトレイルランナーなので、後ろからでもすぐにわかった。歩いてしまっていたので声を掛けると同じペースで付いてこれるようだ。

話を聞くとやはり先日のハセツネに参加していたらしい。さすがです!それにしてもアートスポーツのお客さんは強者だらけ!!脱帽です。そして前を走るりきさん・Kさんにもご紹介。チームアートスポーツが誕生した!しかし下りに入っても脱落するのはいつも自分が最初でエイドで追い付く流れだ。

そして虫川大杉の駅が近づいて来た。ここにはりきさんのご両親が応援に来てくれていた。『チームアートスポーツで~す!』と笑顔で応えた。

ここでもトイレ休憩をとった自分は追いかけるまでには脚を使ってしまっている。しかしゆっくりのペースでは結局脚は続かないので、なるべく早いタイミングで追い付くように心掛けた。前の3人はキロ8分で走り続けているのだから。自分は持っている力を分散させてゴールに近づくしかない。

ほくほく線をくぐり線路を左に見ながら今度はしばらく平坦が続く。もちろんアップダウンも多少はあるのだが、ここまでの4つの峠を考えれば走れないものではなかった。2年前の台風の時もボランティアの方が傘をさしながら応援していてくれた。今年もそのポイントにボランティアはいてくれる。感謝感謝。

そして国道の信号を渡ると第2関門69キロポイントだ。関門時間にはまだ余裕があった。そして学生さん達がランナーのマッサージをしてくれている。氷を使って下半身を中心にやってもらった。Kさんは『こんなにしてもらって贅沢~!』と喜んでいた。

そして最後の峠に向けてスタートする。

70キロ 9時間11分50秒 45分02秒

エイドを出発してからりきさん達よりも先行する。気力で登り坂を走り切ってしまおうと思った。ラン&ウォーク作戦で緩やかな坂を登っていく。大きなヘアピンカーブが見えてきた。そう言えばこんなコースだったなあ。2年前の記憶が蘇る。必死に腕を振って脚を前に出す。

頂上手前にはエイドがあり名簿を片手に名前を言って応援してくれる。もう峠がないと思うと元気になってくる。Sさんと共に下りに入り話をしながらの走りなので気持ち良く走れた。しかしそれも長くは続かず、エイドでりきさんと・Kさんに追い付かれ平坦では遅れをとる。

75キロ 9時間53分42秒 41分51秒

あと3キロで吉川のレストステションがある。2年前はここまでの平坦が走れずに大きくロスをした。そして85キロまでの関門時間を勘違いした記憶に残っている場所だ。まずはレストステションまで走っていけるようにラン&ウォークで頑張り、離されないように付いていく。

田園地帯が広がる道をランナーの足音だけが聞こえてくる。前後のランナーも少なくなり、抜きつ抜かれつを繰り返しながら皆ゴールを目指している。

なんとか78キロに到着。ここの荷物にはグリコーゲンリキッドとプロテイン。そして後半用にX-FITロングスリーブシャツがある。到着時点で関門時間まで残り1時間ちょっとだった。56分で出発すればキロ8分、50分を切るとキロ7分で走らなければならない。

まずはスタートから着ていた肩バランスアンダーを脱いでX-FITに交換した。終始窮屈感はあったが、腕が振れるなどの効果はあり前半は調子が良かった。しかし10時間経過しやはり汗の量が増え冷える感じがあったのでX-FITに換えた。

それからスペシャルドリンクを飲んで、時計を見ると残り53分位になっている。トイレはパス。しかしうどんが食べたい。りきさん・Kさん・Sさんは先に行くと言う。するとうどんがない!!『今来ますよ~!』とおばさん達。お~タイミング良く別の建物からうどんを乗せたおばさんが出て来た。

早く~!という思いで汁が注がれるのを待って1口で頬張った。そしてすぐに前を追いかける。鼻で呼吸を整えてうどんをお腹に流し込む。

りきさんに追い付いたが、『先が心配なので先に行きます!』とペースアップ!Sさんも『ここから切り替えてゴールまで頑張ります!』と先に行った。自分のペースは気分的にはキロ5分!実際は6分くらいだったのだろう。なんとか2キロ保った感じで、80キロを迎えた。

80キロ 10時間41分21秒 47分39秒

81キロのエイドで水を補給しまた先を急ぐ。後方を見るとりきさんとKさんの姿が確認できる。あまり離れていないなあ。85キロ柿崎のエイドの手前には国道が走っていて必ず信号待ちをしなくてはならない。そして信号から先は登り坂だ。

するとすごい勢いで大島さんが追いかけて来た!!吉川では先についていたので先に行っていると思ったらトイレに寄っていたらしい。出てくると自分達がいなくなっていて焦ってキロ5分を切るペースで追い上げて来たらしい。自分は先に行っていると思っていたのでビックリした。しかしそのまま呼吸を少し落ち着かせてから大島さんは前へと進んでいった。自分は全く余裕がなくなっていて、大島さんともあまり会話を交わすことができなかった。

前に国道8号線が迫って来た。大きな信号機が目に入って来た。100メートル手前で青になった。間に合わないなと思って歩き出す。するとすぐ後ろにりきさん達が・・・。『鈴木さん速いけど、イーブンペースの力を見せてやりましょう!』とKさんとまさにイーブンで走っていて、案の定追い付かれ、信号後は前に行ってしまった。

信号から先の登りは走る余裕がなかった。関門は越えられそうだったので、次への充電と思い積極的に歩いた。

85キロ 11時間18分20秒 36分59秒

そして関門時間3分前に吉川区総合事務所に到着した。

休んでいる余裕はないと思ったので、りきさんに『先に行きますね』と言ってゆっくりながらも走り出した。残りは15キロで2時間5分・・・と言うことは・・・キロ8分ペースと貯金が5分だ。頭の中ではペース配分が駆け巡る。

エイドを出ると右側に日本海が見えてくる。もうすぐ日没だ。リズム良く走っていると、小石がシューズに入り込み仕方なく座り込む。この間に大島さん・りきさん・Kさんにまた先に行かれてしまった。姿が見える範囲で追いかけたが、徐々に暗闇によって3人の姿が見えなくなってきた。

日本海が見えてからは海岸に沿った住宅街を走る。その道は結構細かいアップダウンがあり脚を前に進ませない。なかなか90キロに届かない。歩いてしまうことはないが、エイドではゆっくりと休んでしまう。暖かいお茶が美味しい。ボランティアの声援に押されて走り出す。
同じ景色

90キロ 12時間03分41秒 45分20秒

なんとここでキロ8分+5分の5分を使ってしまった。残りはキロ8分をキープしなければならなくなった。日本海沿いの道に出ると海はもう真っ暗で波の音だけが聞こえてくる。2年前はここを走っていた時からまた雨が降り出して来て、やはりキロ8分で刻まなくてはいけない状況だった。体調としてはどうだろう?雨じゃない分まだカラダは暖まっているか?でも同じ100キロなんてない。今を頑張るだけだ。しかしトイレ休憩などに時間を取られる。

この後には名物『海賊汁』が待っている。確か2年前制限時間56分前に出てキロ8分で間に合う計算をしたから、92キロ地点なはずだ。そう思うと元気になって来た!少しでもゆっくり海賊汁を食べたい!自然とペースが上がっていたようだ。

92キロ過ぎにそのポイントがあった!海賊汁!!
海賊汁

時計を見た時に12時間30分くらいだったと思う。少し余裕があると感じた。するとりきさんとKさんがこれから海賊汁を食べ始めるところだった。食べている最中か、食べ終わってしまっていると思っていたのでお互いビックリ!!そしてトイレ休憩していたと言う大島さんも後から到着!残り8キロの体力をこの海賊汁で補わなければ!

りきさん達は先に出発。自分は海賊汁以外にもしっかりと食べていった。大島さんともスタートは一緒だったが、登り坂でやはり離されていく。辺りは本当に真っ暗でなにも見えないくらい。しかしその中でも地元の応援の方がたくさんいて声援をくれる。もう皆夕食の時間のはずなのに、ご苦労様です!

1キロ刻みのボードも確認するのが難しい。あまり大きくないので95キロポイントは見落としてしまった・・・ガーン!えっ、95キロ過ぎたよね?そうでなきゃ困る・・・と時計を確認した。50分を経過している。あと5キロなのに制限時間までは38分位?仕方ない、96キロで確認しよう。歩きは少ないからキロ8分では走れているはず。

しかしこの距離表示が間違っていたら・・・?そんなことはないよね(汗)

96キロを発見!12時間58分で通過できた。と言うことはあと4キロ32分だ。1キロごとを確実にチェックしていこう。ペースを上げられる余裕はないが、維持することは問題なさそうだ。

97キロを過ぎ最後のエイドがあると看板に書いてあった。時間がないのは分かっていたが、感謝の気持ちを込めて立ち寄りお茶をもらった。『ありがとうございます!』『頑張れ~!間に合うぞ~!』

真っ暗な田園地帯を明るいサーチライトと足元の氷のケースに入ったろうそくが道しるべとなっている。ランナーの姿は自分の前方に3人いる。ご夫婦でご主人が常に10メートル先を走り、後ろを気にしながらついてこい!と無言で言っている感じ。もう1人の女性はまるで競歩のようだが、確実に脚を前に進めている。

残り2キロポイント。2年前HANAが待っていてくれた地点だ。懐かしいなあと感じながら、走っていると右手前方の林の向こうが明るくなっていて、ゴールを向かえるアナウンスが聞こえて来た。

最後の99キロでは時計を気にしてはいなかった。やっとゴールだ。このコースは3回目だが、今回が一番きつかった。それでも振り返れば良く走り切ったなと、5つの峠越えが既に懐かしく感じた。

残り500メートルを切ったところで『へろへろ』りきさんのお母さんが応援してくれている。『ギリギリ過ぎるよ~!!間に合うよ~!』その声援に押されてペースが上がる。前にいた3人のランナーをかわして最後の直線に入った。

うぁ~!長い!!ゴールのゲートがものすごく遠くに感じる。100メートル以上はあるのだろう。しっかり腕を振ってのラストスパート!ランナーを向かえる大声援がとても気持ちいい!
27秒前ゴール

13時間29分33秒でゴール!!

制限時間なんと27秒前にゴールとなった。自分ではもう少し余裕があるつもりでいたが、予想以上にペースが上がらなかった。

ゴール地点では大島さんはじめたくさんのお客さんが声を掛けてくれた。ボランティアの中学生がイスのスペースまで誘導してくれて、豚汁を持って来てくれた。そしてゼッケンを外して荷物を取りに行ってくれる子と、側で照れくさそうに立っている子と分担作業のようだ。体調が急変するランナーどもいたりするからちゃんと見ていてくれるのかな?

5分もしないで荷物と完走証が手元に届いた。
100キロ 男子の部 第621位(男女総合724位)
50キロ地点 6時間14分17秒
記録 13時間29分33秒
50キロ~ゴール 7時間15分16秒
完走証

完走率は約65%と言ったところだ。朝方から午前中に掛けて涼しかったのだが、日中は暑かった。24℃を越える気温まで上がったらしい。4年前の方がもっと暑かったが、2年前の台風に比べると厳しい条件になったと思う。

今回はその日にトンボ帰りではなく1泊してから朝帰ることになっていた。毎回力石モードで買えるのに一苦労だったが、今回は力石モードにもならずに夕飯までしっかりと食べることができた!しかし疲労困憊状態は必至で朝食を買いに行く気力がなく、シャワーを浴びてから泥のように眠った。

翌日は地元でHANAのママ友会があったので、それに参加するために長野経由の新幹線で帰宅。長い1日となった。

今回のえちごくびき野100キロマラソンを振り返って
2年前の記憶と言うのは充てにならないものです。過去の完走記を書いているんだからしっかりと見直してくるんだったと反省しております。HANAとの思い出の大会でもあるくびき野。今回もHANAの指輪を一緒にして走りました。下り坂で良いペースで走れたのはHANAのパワーだったりして。

やはり夏の練習量がこの秋のタイミングではポイントになってくるようです。サロマ湖の走りからあまり成長がありませんでした。しかし、このコースを走り切った自信は来年の『甲州街道』に繋がると思っています。

ゴール後、大会のビデオ制作の方がこのバンダナを見つけてか?声を掛けてくれました。『あなたにとってくびき野とは?』うまく答えられたかな?思わずビデオ注文してしまいました!!答えはHANAにも内緒なので、ビデオが届いてからにします。

今回同行させて頂いた『へろへろ』の皆さんありがとうございました。ゆきさんは残念な結果となってしまいましたが、夏の練習をしっかりされた成果が出たのではないでしょうか?応援部隊のお父さんお母さんもありがとうございました。

また今回レース中並走して頂いた大島さん・Kさん・Sさん他たくさんのアートスポーツのお客さんの皆さんありがとうございました!お店だけでなくこういったレース会場でのふれあいがとっても楽しくて、嬉しいことです。

今回もアドバイスしている自分が1番ビリのタイムとなってしまいましたが、経験だけで走っています。しかし来年の甲州街道は今の練習では走りきれないと痛感しているので、くびき野以降の練習には気合いを入れて頑張っています。

来年はウルトラマラソン挑戦から15年目を迎えるので、新たな挑戦として頑張って行きたいと思います。これからもよろしくお願い致します。ありがとうございました。

後半全く余裕がなく写真が少なくて申し訳ありません。


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